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空気はとても乾燥していた。そして、青紫の空はどこまでも高かった。
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テトムは、最近毎日のように父親の畑仕事を手伝わされていた。
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何ヶ月か前に小学校6年になったばかりだったというのに、
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仕事を手伝わせるために子供達を仕事にかり出させていたのだ。
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テトムは時計を見た。もう既に時間は午後1時近かった。
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テトムが家に戻ろうと耕作機のギアに手をかけた。と、その瞬間。
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音のする方に目をやると、火の玉が凄いスピードで空から降って来ていた。
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テトムは大声で叫びながら、少し離れた場所にいる父親の方へ走っていった。
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火の玉は少し地面にバウンドして畑の端の用水路の手前で止まった。
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「生き物?」テトムには、それが何であるか判別できなかった。
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しかし、火の玉の正体は旧式のフライヤーであることは、かろうじて分かった。
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フライヤーの前部の整備用ハッチの隙間から青いプラズマの光が覗いている。
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「おーい」黒い物体から叫ぶ声がする。どうやら宇宙人ではなさそうだ。
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「テェトゥム」西部なまりが入っていた。「まさか!」
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最近はあまり話をすることが出来なくて、寂しい思いをしていたのだった。
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「大丈夫なの?怪我はない?どうしたの?なんでなの?」
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「テェトゥム大変なんだ!」突然、ピーラは我に帰って叫んだ。
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「どうしたの?」「ばあちゃんが病気なんだ!死にそうなんだよお」
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「早く直さなきゃ」散らばった部品を拾い始めました。
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テトムは、おばあさんの病気とフライヤーの修理の関係が
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いまいち分からなかったが、修理がかなり難しいことは分かった。
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「でも、でも、急がなきゃ」ピーラは、かなり焦っていた。
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テトムは、一緒に部品を拾うのを手伝いながら一応聞いてみた。
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父親は落ちたのが緑族のピーラと分かるとさっさと家の方へ向かっていた。
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「ねえ、うちに来て」なんとかしてテトムはピーラを助けたかった。
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「とうさんに聞いてみるよ!そうすれば、なんとかなるよ!絶対ね!」
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テトムはピーラを不安がらせないように、わざと自信たっぷりに答えた。
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ピーラは少し足を引きずっていた。「ちょっと待ってて」
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テトムは耕作機へ走っていった。座席に飛び乗るとギアをバックに入れた。
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後部が少し持ち上がるようにして勢いよく動き出した。
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「さあ、乗って」ピーラの脇を抱えて荷台へ連れていった。
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