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「あのオヤジなら気づくはずだ。なんとか気づいてくれ」
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「おーい、誰かいないのかー!」おじいさんは大声で叫んだ。
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テトムは機体がバラバラになったあたりに目を凝らした。
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通りには質素な石造りの店が並んでいるだけで特に探すような場所は
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なかった。店と店の間の狭い路地も片っ端から見ていった。
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「どうしよう・・・」「ああ、あのオヤジに声が届けばなんとかなるかもしれんのに・・・」
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おじいさんは時計を見た。「もう時間がないな・・・戻るか・・・」
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このままだと置き去りにしているピーラが”夜”に呑まれてしまう。
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「どうするか・・・」おじいさんは頭をかかえてしまった。
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そこには長身の老人が立っていた。ただ、うさぎの耳はなかった。
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「あんた、アルメリアの花の入ったずた袋を見なかったか?」
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「そうか、あれはあんたの袋だったのか。あれなら薬屋が持って行ってたな」
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「その薬屋はどこなんだい?」「案内しよう。」3人は歩き出した。
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「ああ、そうだな。でもすまないがゆっくりはしていられないんだ。」
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「そうだったな。ところであの子はどうしたのかね?」
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太い路地を3本ほど横切ったところの角に薬屋があった。
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「はい。ただいま。」ドアが開き、小太りの男が顔を出した。
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「昼間、花の入った袋を拾ったろう。それは彼らのものじゃないか?」
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「何を言ってやがる。早く返せ!」おじいさんは怒鳴った。
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そう言うとふところから、うさぎの耳を取り出し頭に当てた。
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「す、すみません。さっき言ったことは訂正します。袋はお返しします。」
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「もう加工してしまいました。乾燥して粉末に・・・」
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「そうか・・・あんた、これで大丈夫かね?」おじいさんの方を見た。
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「早く戻らないと、時間がないよ」テトムはおじいさんの袖を引いた。
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「そうだな。急ごう」3人は小走りでフライヤーに向かった。
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ピピピピ・・・おじいさんの時計のアラームが鳴り響いた。
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「まずい!時間だ!急がねば」ピーラのところまで戻る、リミットの時刻だった。
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