「おじいちゃん、ピーラはどこにいっちゃったの?」

「分からん・・・ただ爆弾をよけているときに奴等のいたあたりで爆発が起きていたな・・・

 ただ、よく見ている余裕はなかった・・・だからピーラくんがどうなったのかは・・・」



テトムは空をくまなく見回した。



空はどこまでも澄んで奥行きを増していた。

しかし銀色の物体の編隊はどこにも見当たらなかった。



「ピーラ・・・今頃どうしてるんだろう・・・」

テトムは小さな袋を見つめた。



「おじいちゃん!高度上げて!おじいちゃん!探してみようよ!」

「よし!分かった!もう一度探してみよう!」

おじいさんは機体を上昇させた。

”夜”は離れた場所にあったがいつもの”夜”ではなかった。

「おじいちゃん・・・”夜”の形が変だね・・・」

「そうだ。あの銀色の連中が爆弾を落としたせいで変形してしまったんだ。」

”夜”の上部はえぐられたように変形し、部分的に角のように飛び出していた。

「おじいちゃん・・・どこにもいないね・・・」

「いったいどこへ連れていかれたんだ。まったく見当がつかん。」

テトムは風の音の中で考えをめぐらしていた。

「おじいちゃん。ピーラのおばあちゃんのところにいこう。」

「うん。そうだな。ピーラくんのことも心配だが、おばあさんにも時間があまりないんだな・・・

 よし!ひとまずピーラくんの村へ向かうか!」

「うん。アルメリアを早く届けなくちゃ。」テトムはうつむいていた。

「いくぞ!テトム!」「うん。」機体は勢いよく加速していった。

おじいさんはテトムの方に目をやった

テトムはうつむいたまま肩を震わせていた。